よく食べよく遊びよく眠る
1.保育室の環境
乳児の育つ環境は、温かくて、優しくて、開放的な施設が望ましいと思っています。日当たりが良く、建物やおもちゃ類が木や自然の素材で出来ていることが、子どもの情緒を安定させ、五感を育てます。
狭い庭にも四季おりおりの草花が咲き、プランターでいちごやちょっとした野菜を育てて収穫の喜びをあじわます。
園舎の裏には直接ウッドデッキから飛び出せる公園が隣接しています。草花はおままごとの材料にされ、虫たちは興味の尽きない遊び友達としていじりまわされ、水と砂とどろんこで一年中遊べます。都会の限られた空間にも子どもの目線に下りれば小さな自然がいっぱいあることに気付くのです。
2.よく食べ、よくかみ
0歳児は母乳を大切に、ご希望に合わせて冷凍母乳も対応しています。ミルク、混合と子どもの状況に合わせています。哺乳瓶は吸う力を育てるため白湯用を使っています。
離乳食は満6ヶ月頃から、重湯や野菜一品から始め、一品ずつ増やして素材の味を覚えていきます。だしは昆布を使います。始めはだしの味だけで他の調味料は使いません。1歳2ヶ月頃に普通食になるまで一人一人に合わせてゆっくり進めます。
米は新潟の魚沼産コシヒカリを玄米のまま送ってもらい、自家精米器で毎朝必要な分だけ5分づきにします。うどんやみそも新潟の地の物を取り寄せ、野菜、肉、魚類は国産の安全なものを選んでいます。
昼食もおやつも補食(延長保育の軽食)も、全て保育室の手作りで加工品はパンや納豆・豆腐類以外できるだけ使わず、和食中心です。
3.よく遊べる子に
赤ちゃんは、3ヶ月頃まではあやしてもらうと笑顔で答えてくれますが、4ヶ月になると赤ちゃんの方から笑いかけて、周りの人とのコミュニケーションを取り始めます。ここが、3ヶ月児と4ヶ月児との大きな違いです。ときに「ング-」と自ら赤ちゃん言葉で話しかけてきて、積極的に人と関わろうとするようになります。
8ヶ月になると、瞬間模倣の時期で、大きい子達や大人の動きをよく見てすぐまねをします。また、このころひとみしりも始まります。まねっこをするのも、ひとみしりも大切な成長の1過程です。
さらに、おすわり、ハイハイ、つかまり立ち、ひとり立ち、一人歩きと動きが活発になると遊びも積極的になります。
4.よく眠る
『寝る子は育つ』との言い伝えは、かなり真理をついています。早寝早起きは子どもの生活リズムとして大事な条件になります。3000ルクスという朝の光を浴びることは、生命の根本のところへ光をあて、成長の芽を育てる大切な瞬間です。
乳児の未熟な脳神経に余計な刺激を与えないように配慮して、洗濯機は室外へ置き、掃除機をやめてほうきを使い、テレビやビデオなどは保育室に持ち込まず、乾燥機や炊飯釜など極力ガス器具の物を使うなど、保育室をできるだけ良い環境に保つようにしています。
5.乳児の抱き方
首の座らない赤ちゃんは、身体の正中線をまっすぐにして抱くと、血流がよくなり緊張がほぐれて気持ちよく寝入ります。姿勢を正しく保ってあげることはとても大切です。育ちの問題は抱き方だけで改善されることもあります。
両足を大人の体に沿わせ、片手は首の後ろ、片手は腰を支え、目と目を合わせて歌いながらゆっくり前後に動いてあげます。
赤ちゃんが自然に目を閉じて眠りにつくとき、それは子どもと関わる者にとってかけがえのない瞬間です。